【犬の歯磨きトレーナーが教える】わんちゃんも歯磨きすべき理由と、ケアにおける❝大切なこと”

犬 歯磨き

「犬にも歯磨きが必要ってよく聞くけれど、昔の犬は歯磨きしてなかったからしなくてもいいんじゃない?」と思ったことはありませんか?

確かに、「犬の歯磨き」について取り上げられられるようになったのはごく最近。歯磨きの必要性があまりピンとこない方もいるかもしれません。今回は「現代のわんちゃんに歯磨きが必要な理由」について解説していきます。

犬も歯磨きをするべき理由

今のわんちゃんに歯磨きが必要になった理由として、食生活・生活環境の変化が挙げられます。

昔は外で飼われていたのが人間と同じように中で過ごし、食べ物では「ドライフード」など、総合栄養食まで出てきました。

人間と同じように生活しているのであれば、わんちゃんも同じように歯磨きが必要です。「でも、いうほど昔と環境は変わっていないんじゃないの?」「犬は虫歯にならないって聞いたけど…」と思う方もいるでしょう。

昔は骨や内臓を食べて生きていた

確かに、野生で生きていたころは必要なかったかもしれません。犬の歴史をさかのぼると、野生の頃は獲物の皮膚・内臓・骨などを食べて生きていました。

サバンナのライオンが歯磨きをしないのと同じく、歯やあごも丈夫で、食べているうちに汚れが停滞しにくい環境であったといえます。

しかし、いまの生活はどうでしょうか?

現代のドッグフードは汚れが溜まりやすい

みなさんのわんちゃんは毎日何を食べていますか?生肉や野生の生き物を狩って食べているというワイルドな子はまずいないのではないでしょうか?

ぼく、狩りなんて無理・・・。

今はドッグフードなど、加工された食品を食べることが増えています。その結果、歯に汚れがつきやすく、菌もたまりやすい環境へと変わってしまいました。

ここで重要なのは、歯磨きの頻度です。「数日に一回しているからいいか」ではなく、毎日することが大切です。人間が毎日歯磨きするように、わんちゃんのお口も日々ケアしてあげましょう。

愛犬の歯磨きをするうえで大切なこと

歯磨きをしなきゃいけないことは分かったけれど、「嫌がるから」「暴れるから」「無理させたくないから」「嫌われたくないから」といって、数回の挑戦で歯みがきを諦めていませんか?

今までに約3000頭のわんちゃんのお口をケアしてきた私が思うのは、以下です。

何より大切なのは「心構え」

歯みがきの時、わんちゃんは飼い主さまに体を預けていますよね。犬は気持ちに敏感な生き物。飼い主さんが恐る恐る歯みがきをしていたら、わんちゃんも不安な気持ちになってしまいます。

まずは、飼い主さまには堂々と歯みがきをして頂きたいと思っています。意識して欲しいポイントは「声がけ」です。

声がけひとつで、歯みがきを楽しい時間にすることが出来ます。

1.飼い主さまがビクビクしない、わんちゃんに謝らない・怒らない
2.焦らない・慌てない・ムキにならない・頑張りすぎない
3.リラックスさせる、楽しむ


この時にしてはいけない声掛けは、

「イヤだね~、ごめんね~」

「暴れないでじっとして!」

などです。このようなマイナスな気持ち、感情で声をかけていませんか?


歯みがき中はその感情をストップさせて下さい。
負の感情、負のエネルギー、負の言葉は「今イヤな事をされてるんだ」とわんちゃんに伝わります。そうなると、歯みがきが嫌になり暴れてしまいます。

飼い主さんがイライラしてたらぼくもこわい!

毎日必要な歯みがき、せっかくなら飼い主様もわんちゃんも楽しい時間にしたいですよね。

そのためには、

「上手だね~、楽しいね~」

「歯みがき出来てかっこいい♪嬉しいなぁ」

など、出来ることを笑顔で褒めてあげてください。

そうすると、歯みがき中は嫌がって暴れていたとしても、終わった後はしっぽを振って近くに来てくれます。

わんちゃんの健康を守れるのはあなただけ

わんちゃんは、歯みがきで飼い主さんのことを嫌いになることは絶対にありません。

歯みがきをする上で大切なことは、使う道具やそのやり方ではありません。わんちゃんと「向き合うこと」です。

愛犬のお口を守れるのは、飼い主である「あなただけ」ということを忘れないようにしましょう。