【知るだけで愛犬の命を救う】災害時、犬を守るためにしておくべきことは?

災害大国である日本では、毎年各地に甚大な被害を及ぼす災害が起こっています。直近では東日本大震災や大型台風によって、ワンちゃんと飼い主が離れ離れになっている映像が記憶に新しいのではないでしょうか?みなさんはどんな対策をされていますか?

doggymagのInstagramでアンケートをとったところ、こんな回答が集まりました。

今回は「災害時に愛犬を守るためにすべきこと」について徹底解説していきます。今日から始められる具体的なアクションプランまで記載していますので、ぜひご一読を!

愛犬と避難すればいいんでしょ?の認識だけでは甘い

「愛犬と避難すれば良いんでしょ?」という軽い解釈ではいけません。実際に「同行避難」と「同伴避難」の解釈の違いで、避難所で混乱を招いたことがあります。以下詳細解説しています。

「同行避難」→愛犬などペットを連れ、避難すること
「同伴避難」→飼い主がペットを連れ、飼育管理まですること

つまり「同行避難」は愛犬と共に避難することであり、共に暮らすことではありません。避難所によっては、ペットと一緒に過ごせないこともあります。

施設によっては、ペット飼育場の準備が整っておらず、車上や屋外での飼育管理を強いられるケースも。つまり、国の方針と現場での方針の乖離から「同伴避難」の意味が異なり、同室で飼育管理することを指さないことがあります。思い違いのないよう、お住まい周辺の施設への問い合わせましょう。

避難時に必要!ペット用避難袋に入れるモノ

避難先で、ペットと暮らすために必要なものは飼い主が事前に用意しておく必要があります。被害が大きい場合、物資の到着までに1週間以上かかるケースも考えられます。備蓄品の優先順位を付け、優先度の高いものは避難時にすぐに持ち出せるようにしましょう。

食事や薬など最低限のアイテム

・フード、水

・ケージ、キャリーバッグ、(補強用にガムテープがあれば、尚良し)

・リード(伸びないモノ)

・常用薬(飲んでいるものがあれば)

愛犬が危険地帯へ勝手に足を踏み入れないよう必要な「ケージ」や、補強に必要な「ガムテープ」は見落としがちなアイテムですので、忘れずチェックしておきましょう。

また、持病などを抱えるワンちゃんの場合は、特別食や常用薬を長期間分準備をしておくべき。

緊急時にペットの命をつなぐ情報

・飼い主や家族、預かり先、かかりつけの病院の連絡先

・愛犬のデータや現像写真

愛犬とはぐれてしまった際に、必要です。災害時はスマホが使えないこともあるので、写真など電池が必要のないもので用意しておくのもいいでしょう。

他の避難所で愛犬が見つかるケースや、外で迷子になっている場合もあるので、家族や知人、愛犬の情報が一眼で分かるモノを持ち歩いておくべきでしょう。首輪に飼い主の情報を分かるような迷子札をつけておくのも◎

トイレ用品やおもちゃなどのペット用品

・ペットシーツ

・排泄物の処理用具

・トイレグッズ

・おもちゃ

衛生上の問題は外せず、感染症の恐れもありますので、揃えておくべきでしょう。

東日本大震災ではペット用の救援物資を運ぶ車両が緊急車両として認められなかった事例もあります。災害の大きさは予測できず、物資車両の遅延も考えられるので、少し多めに準備しておくをおすすめします。

【意外に知られていない】事前に対策できるコト

「必要物資を揃え、まとめておけば事足りる」と考えるだけでは、不十分。

いつ災害が起きても、バタバタしないよう日頃から対策すべきコトを解説します。

日々の飼育管理、健康管理

被災者との共同生活をする上で、愛犬を日頃からきちんと管理しておくことは大切。

他人を巻き込み、トラブルに発展する可能性があるからです。

具体的には以下の通り。

・アレルギー持ちの子供に何度も近付いてしまう

・食事が足りず、吠え続けてしまう

普段から健康管理、さまざまな環境に慣らしておくことが災害時の備えの基本になるでしょう。

万が一の預け先の事前確認

家族や親戚、友人、飼い主友達などペットの一時預け先も検討をつけておくべき。避難所から外出したい場合や、そもそも数日間、避難所を離れる用事ができた際にとても有効です。

普段から近隣の飼い主住民や家族などとペットも含めてコミュニケーションを図っておくことが大切でしょう。

マイクロチップの埋め込み

ワンちゃんへのマイクロチップの埋め込みは、環境省でも推奨されています。災害発生時は、飼い主とはぐれてしまう危険性もあるからです。飼い主の住所や電話番号を登録することで、確実な身分証明書となり、ワンちゃんのお守りとしての役目を果たしてくれます。

覚えさせておくべきしつけ3つ

他人と愛犬が共同生活していく上で、必要不可欠なしつけは3つ。

・ハウス
・まて
・トイレ

災害時をワンちゃんと共に乗り越えていくためにも以下のしつけはとても大切です。

「ハウス」

避難所では狭いケージの中で暮らすことが多いので、「ハウス」は基本中の基本。

スムーズに「ハウス」を聞き入れないと他人に迷惑がかかります。ワンちゃんの行動をよく観察し、確実に安全な場所である「ハウス」の真意を理解してもらえば安心です。

「まて」

この時の「まて」は長時間の辛抱強さが求められます。

愛犬とはぐれてしまった際や、愛犬が危険な場所に動こうとしている時の「まて」は重みが違います。

普段から長めの「まて」の練習をしたり、ご褒美がなくとも待ってくれるトレーニングをするべきです。

「トイレ」

トイレシーツ1枚あれば、どこでもトイレができるのが理想的。災害時の「トイレ」は屋外や簡易トイレなどで催すことが想定されるからです。また、男の子はマーキング癖がついていると、人様に迷惑をかける可能性もあるので、自宅での地道なトレーニングが大切。

防災セットのおすすめアイテム5選

ワンちゃん用の防災グッズは人間ほど商品の種類が豊富でないことが事実。だからこそ、怠らずにリサーチし、必要性を理解しておくべき。今回は防災グッズの中でもおすすめ5選を紹介していきます。

早速いってみましょう!

ペット防災バッグ

画像:Takakura official site より

ワンちゃんに必要な最低限のアイテムが詰められています。商品にもよりますが、餌用のボウル(防水加工)、首輪一体型リード、ブランケット、 吸水タオル、フンの始末用マナー袋ケース、 マナー袋詰め替え用など。食事や衛生面での管理グッズ、トイレ用具などが入っています。

こちらの防災バッグは3,190円(税込)で、通販でも購入することが可能。売上の一部は任意の団体へ寄付されるそうです。一つ一つアイテムを探していくより、一度で防災グッズを集めたい飼い主さんにはおすすめ。

商品サイトで詳細を見る

簡易サークル

画像:楽天より

広めの居住スペースを確保できる折り畳みグッズ。重量1〜2キロと軽量であることに対し、大きいものであれば1.5m×1.5mの居住空間を作り出せるものも。キャリーバッグでも代用できますが、体を動かせるほどの大きなスペースはありません。ワンちゃんにストレスを感じさせないためにも、簡易サークルはおすすめ。

楽天で見る

ドッグブーツ

画像:楽天より

ワンちゃんを怪我から守れるグッズ。災害時には、ガラスの破片や、細かな木屑が路上に散らばっていることがあるからです。4足用の靴を履くことがあれば、破片が刺さり怪我するリスクも抑えられるので、ストレスなく歩き回ることが可能。

楽天で商品を見る

ペットフード(ウェットタイプ)

ドライフードより食い付きがよいとされているウェットフード。災害時の状況下で外的ストレスを感じてしまうワンちゃんも少なくありません。

いつものフードを食べなくなってしまった際に、嗜好性の高いウェットフードを持っていれば、愛犬の命を守るアイテムになるので安心です。

セーフティライト

首に巻く光るライト。災害状況によっては、電気が止まっている場合も想定できます。散歩に連れていく際に真っ暗闇で、歩かせることは危険です。普段も使用している方は、電池切れや故障も考慮し予備でもう一つ持っておくことをおすすめします。

ペット仲間同士協力し合い、愛犬の暮らしやすい街にしよう!

事前に準備できる「モノ」や「コト」は、飼い主として責任を持ってチェックしておくべき。

それ以外にも、

・飼い主同士で情報共有すること

・日頃から路上に排泄物を放置しないこと

など、できることはたくさんあります。

ワンちゃんのための小さな積み重ねが、いざという時に自治体が手を差し伸べてくれることにつながるのではないのでしょうか。

万が一のための準備はもちろん怠らず、まず今日できることから始めてみてはいかがですか?